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Organization & Human Capital Clubの活動(Class of 2020)

ビジネススクールは経営に必要な学問を広く浅く学ぶ場所です。その中で何かしらのエリアの事をもっと深掘りしたい場合、選択科目やクラブ活動や何らかの個人での活動をやるなど、自分から主体性を持って行動をとることが必要になります。

 

クラブ立ち上げの動機

私は風通しの悪い伝統的な日本企業で働き、「将来自分たちの子供世代が大人になって日本で働く場合、もっと自分らしくいれる楽しい職場だらけになったらいいな」という問題点を感じながらバルセロナに渡りました。海外のMBA学生という立場である事を活かしつつ、学びたい事を学ぶために「組織人事」に関するクラブを立ち上げました。

 

ダイバーシティに満ちたメンバー

1学期のとてつもなく忙しいスケジュールの中、クラブ立ち上げに向けてメンバーを集めました。入学前からSNSで個人的に連絡を取り合っていたメンバーや、入学式の時に隣に座ったオランダ人の同級生に自分のやりたいことを話したら賛同をしてくれて(彼女は人事バックグラウンドあり)、大いに力になってくれました。

やっとの思いで立ち上げたところ、今度はプレジデントを決めるスピーチがすぐにあり、なんとか辛くもプレジデントになりました。クラブで取り組むテーマをメンバーと決め、メンバーの中から1on1の面接をしてボードメンバーを決めていきました。メンバーの国籍は、ブラジル、コロンビア、アメリカ、インド、イタリア、日本。性別比は1:1。かなりダイバーシティに満ちたメンバーが揃いました。

 

クラブプレジデントの活動

プレジデントとしての活動は決して楽ではありませんでした。ESADE生活の2年目はフレキシブルで学生がバラバラな場所にいるため、クラブ活動を回していくのは1年生になります。クラスが忙しく、英語を受験勉強以外やったことないため課題やケースを読むのに四苦八苦し、個人の就職活動(日本人向けの就活プロセスは全体的に世界より早い)と合わせて非常に難しいスケジュールでした。

やがて他の国の学生も就職活動が忙しくなり、途中からはだんだんとイベントへの参加の足も重くなり、最終的にはボードメンバー内でも熱の入り方に差がある状況になりました。当初クラブの方針と行動計画を立てて活動していたものの、あまりにも学校のワークロードがきつすぎて周囲とスケジュールとフォーカスを調整するなど暗中模索が続きました。

 

ゲストスピーチの企画

そのような中、組織面で世界的に有名な事業会社の人事責任者に来てもらってDiversity & Inclusionに対する取り組みの事例を聞いたり、チェンジマネジメントの専門家(アメリカ)とスカイプで「未来の職場」についてのディスカッションをしたり、大手コンサルティングファームによるデジタルトランスフォーメーションのセッションや、組織について研究をしているPh.Dの方からは組織の新しい形の事例や最新の研究内容を聞く機会も作ることができました。

私はバルセロナから遠く離れた日本出身、かつ、組織人事という観点ではまったくネットワークがない中での活動でしたので、外部の方々と繋がれたのは偏にクラブメンバーのネットワークの賜物です。クラブには人事系の経験が豊富なメンバーが多く、個人的にもいろんな話を聞くことができました。

いろんな活動をしてみて確かに知見を得られることは多かったのですが、ビジネススクールの学生という立場で外部の話を聞いて世の中を変革できるなんていう程世の中は甘くありません。むしろ、組織がしっかりしている企業でも、組織変革のプロのコンサルタントたちでさえも、永遠の課題、答えのない課題の中で闘っている印象でした。

 

素晴らしい経験と成長の実感

実際にクラブのプレジデントとして得た一番の経験は、「不確実かつ英語の環境で、自分が前に立つ」という経験でした。自分が前に立って議論を進めてみんなの意見をまとめる。ゲストを自分が招いて学校を案内し、イベント前に世間話やビジネスの話をする。自分が前に立ってイベントをファシリテートする。周りがモチベーションを落としているときになんとか鼓舞をしてやりたいイベントを開催する。そんなことは数年前の自分からは想像がつかないことです(英語ゼロから受験を始めたため)。

 

クラブ活動のすすめ

クラブ活動にご興味がある方は、やるからにはプレジデントないしはボードメンバーとして活動をすることをお勧めします。理由としては、自分のやりたいことをやれる可能性が上がるためです。

また、忙しい日々の中でボードメンバーは一緒に活動をするので、興味のあることをやりながら多かれ少なかれいいネットワークが築けます。一方、クラブに入っていても特に役職がないと、どうしても授業や課題、就活にネットワーキングで忙殺され、気づいていたら幽霊部員、なんてこともよくあります。これは個人のMBAでやりたいことの目的意識次第だと思います。

クラブ活動でなく何か他のものにご興味があれば、是非手をあげてやってみてください。ESADEは手を挙げた人に対して止めることなく自由に任せてくれるカルチャーの学校だと感じています。

 

Y. N. ( Class of 2020 #10 男性 29歳 私費 家族帯同