· 

Term 1 Courseの紹介 〜Financial Accounting and Reporting〜

こんにちは!Class of 2023のNHです。今回はTerm 1の授業「Financial Accounting and Reporting」をご紹介します。「Foundation Week のご紹介 ~Financial Accounting編~」の記事の通り、ESADEでは入学前にHarvard Business Publishing というオンラインプラットフォームで会計のコースを履修する必要があり、その後、Foundation Weekでも3回、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の読み方が授業で教えられるなど、会計はカリキュラム上、非常に重要視されています。 

 

 Term1のFinancial Accounting and Reportingは財務三表の読み方からステップアップして、より個々の勘定科目に関する論点を深堀する授業になっており、例えば、1回目の授業では、固定資産の償却、売却についての会計処理、2回目の授業では収益認識基準(売上をどのタイミングで企業が認識し、財務諸表に反映させるか)を学ぶなど、計5回の授業の中で、幅広い論点を取り扱いました。事前課題の内容についても、個人課題では毎回、授業前にその授業の論点に関する計算問題を解き、ケースを読む必要があり、一方でチーム課題では例えば、収益認識基準の宿題ではUberのビジネスモデルを分析して、Uberにとっての売上の定義は何になるのか?をパワーポイントにまとめて、授業で発表する必要があるなど、毎回、テーマに沿って資料を作らなくてはならず、非常にヘビーな授業でした。なお5回の授業後にある、最後の試験についてはこの授業で扱った論点とともに、Foundation Weekで扱った内容を含めて問題が作られ、簿記のような計算問題と、財務会計に関する知識を問う択一式の問題が出て、非常に難しい内容でした。オンライン学習やFoundation Weekで少し学んだとはいえ、会計のバックグランドがなかった私にとっては日本語でも難しいと思う内容を英語で学ぶことで、今振り返ると一番、大変な思いをした授業でした。 

 

 個人的に強く印象に残っているのはグループ課題についてのディスカッションです。自動車メーカーの収益認識基準に関わる仕訳の問題をドイツ人、ペルー人のチームメートと私の3人で議論していたのですが、3人が3通り、各々違う意見をもっていたせいでなかなか意見がまとまらず、議論が紛糾してしまいました。その後、2人は自分の意見の正しさを証明するため、ビジネスを行っている自分の父親に電話して意見を聞いたり、友達の会計士に電話したりして、裏取りをはじめました。いろいろと電話した結果、あまりはっきりとした回答は得られず、結局1問の問題に、合計3時間ほどかかってしまったうえで、ペルー人と自分が折れ、ドイツ人の考えが採用されるようになりました。最終的に授業で答えが発表された時には、元々の自分の考えが正解となっていたのですが、会計に対するぼやっとした理解と、拙い英語力のせいで、周囲を説得できない自分に腹立たしさを感じるとともに、海外の職場で生き抜くためには、自分の意見をサポートするための論理をしっかりと組み立てることと、それをサポートするための裏付け(専門家のお墨付きなど)をすること、何といっても粘り強く意見を押し通すためのメンタリティが重要なのかな?と感じた出来事でした。 

 

 何はともあれ色々と苦労はしましたが、ビジネスの基礎と呼ばれる会計について一通り勉強できたことと、経済のグローバル化が進み、米国会計基準、国際会計基準(IFRS)の採用が日本でも進む中、海外で会計を学べたことは、今後、どの業務を行ううえでも役にたつと思っているので非常に満足しています。また同期の日本人が会計に関する勉強会を開いてくれて、課題の解き方を教えてもらったり、また投資ファンド出身のチームメンバーに財務諸表の分析方法を教えてもらったり、周囲から非常に助けられた科目であったので、ESADEのコラボラティブスピリットを感じるとともに、会計に強いというのはやはりビジネスパーソンとして、周囲から信頼を得るために非常に強みになると感じ、より勉強しようと思うようになった授業でした。 

 

                                                   以上