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ケースコンペティション体験談(Kellogg Energy & Sustainability Case Competition)

1.はじめに

 ケースコンペティション(以下、ケースコンペ)はMBA生活に於いて、就職活動に次いで熱を持つイベントとなります。ケースコンペは就職活動の一環として行われるもの(コンサルティング企業等が主催)とビジネススクールが主催するものの2種類があります。ケースコンペの開催期間などはそれぞれ異なり、無数の選択肢の中から参加を決めることがMBA生活中に可能ですが、私は20213-4月にかけて、米国・North Western大学 Kellogg Business Schoolが主催する「Kellogg Energy & Sustainability Case Competition」に参加をしました。今回のレポートではこのケースコンペについての体験を紹介したいと思います。

 

2.ケースコンペ参加まで

 当該ケースコンペの参加については、私がESADEで参加をしている「Energy & Environment Club」のグループチャットから案内が流れてきたのが認知をしたきっかけでした。参加希望者は共有のExcelシートに名前を記載し、組みたいメンバーで41組のチームを組成し、ケースコンペに挑むことになりました。私はエジプト人、インド人(Term 2のチームメイト)ともう一人の日本人の4人でチームを組成しました。最終的にはESADEから4チームほど参加をしたそうです(もう1名、日本人同級生が別チームで参加をしております)。

 ケースコンペのラウンドは計3ラウンドに分かれており、1次ラウンド(書類審査、12チームに選抜)、2次ラウンド(オンラインプレゼン、4チームに選抜)、ファイナルラウンド(2次ラウンド突破チームには直前で再度ケースが出され、1時間程度でプレゼンスライドを修正し、再度オンラインプレゼンで順位付け)となっておりました。上記の通り、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、今回のケースコンペはすべてオンラインで行われました。タイムラインは323日にケースの内容がオープンになり、28日までに提出。42日に1次ラウンドの結果発表。49日に23次ラウンドが開催という形で、非常にタイトなスケジュールとなっておりました。

 私はチームのリーダーを任され、課題提出にあたってのタイムラインの設定や事務局との連絡窓口としての役割を任されました。ESADETerm 1の授業で「Communication Skill」というクラスがあり、プレゼンスキル(主に表現技法)に関して学ぶ機会があったため、そのアウトプットの場が個人的に欲しいと思っていたため、「まずは1次ラウンドは突破して、2次ラウンドでプレゼンをするところまでは行こう」と目標を立てて取り組むこととしました。

 

3.1次ラウンド

 323日に予定通りケースが開示され、まずその日は各自でケースを読み込むこととしました。提示されたケースの内容は以下の通り。

 <前提・提出課題>

 ・MBA生としてイノベーションコンテストに出場中。エンジニアスクールから来た学生が新しい充電テクノロジーを持っている。

・このテクノロジーはエネルギー密度が既製品より50%高い。(但し、4-5年程度で技術優位性は無くなる)

・イノベーションコンテストの優勝賞金は1千万米ドル。優勝できる前提で以下4つのプランのうち、最も有望なエリアを選択し、2-3年の短期プランおよび10年の中期成長プランを描く。

   バッテリー会社とパートナーシップを結ぶ(コミッションビジネス)

   自動車会社とパートナーシップを結ぶ。なお自動車会社のカテゴリーは以下の通り

A)   乗用車

B)   商用車(バス・トラック等)

C)   2-3輪車

   バッテリー会社の新規設立

   EV会社の設立。なお会社のカテゴリーは上記A~Cと同じとする

<提出フォーマット>

・パワーポイントスライド20枚以内(Appendixは無制限)

<評価基準>

・スライドのビジュアル

・問題提起に対する理解の深さ

・推測の質の高さ、ケースもしくは外部から得た情報の質の高さ

・ビジネスソリューションの質の高さ(戦略的ビジネスプランの構築・資料の進行の質・リスクと競合の分析力・財務分析力・創造力)

以 上

 上記内容を読んだ後、最初のチームミーティングを行った際に、あるチームメイトから「PCが壊れた…参加は難しい…」とのまさかの悲しいお知らせを受けてしまいます。よって、1次ラウンドは彼を除く3人でプレゼンスライドを作ることになりました。

 複数の選択肢からどの選択肢を取るのが最適かを判断するために、分析はしっかり行うこととしました。我々はESADEのクラスでも取り扱った、マイケル・ポーターの「ファイブフォース分析」や「5C分析」、「リスク分析」、「初期投資額分析」、「想定利益分析」などを行いそれぞれの選択肢についてスコアをつけ、どの選択肢が最適化を判断する手法を取りました。

 以降は3人でタスクを分け合いながらほぼ毎日決まった時間にミーティングを行い、限られた時間の中でも自分たちの進捗状況の確認、選択する内容のブラッシュアップ、資料のストーリーラインの妥当性や細かいスライドのビジュアルに関して等を徐々に詰めていきました。

 ちょうどイースター休暇の時期とケースコンペの開催時期が被ったこともあり、ほぼ1日中(朝から深夜まで)ケースコンペの内容に没頭しながら328日までの6日間を過ごしました。最終的にはチーム全員が納得する資料を作成することができ、提出。あとは吉報を待つのみとなりました。

 

4.2次ラウンド

 42日に私の元に主催者からメールが届き、1次ラウンド突破の知らせと2次ラウンドの詳細についての案内を受けました(約50チームが参加し、12チームに選抜されたとのこと)。以降の約1週間は実際のプレゼン担当の割り振りと想定Q&Aの作成に没頭しました。なお、2次ラウンド進出の連絡をチームにしたところ、またしてもチームメイト(1次ラウンドを欠場したチームメイトと同じ人)から「新型コロナウイルスに感染してしまった…2次ラウンドも参加ができない」との悲しいお知らせを受けたため、1次ラウンドを戦った3名で2次ラウンドに挑むこととなりました。

 ESADEから2次ラウンドに残ったのは我々のチームだけだったこともあり、一部の「Energy & Environment」クラブの学生には模擬プレゼンに付き合ってもらい、想定Q&Aの洗い出しやプレゼンのフィードバックをもらうこともできました。

 当日はESADEMedia Roomという小さなスタジオのような場所を予約し、万全の態勢を整えたうえでプレゼンに挑みました。非常に緊張しましたがプレゼン自体は滞りなく、制限時間内に乗り切ることができました。一方、Q&Aでは若干回答に窮してしまうところもありました。特に1次ラウンドを突破した後、ビジネスプランの更に細かいところを検討すべきだったと反省しました。

 残念ながら、2次ラウンド終了後に行われたファイナルラウンド進出チームのアナウンスに私のチームの名前はありませんでしたが、チームとしてある程度の結果を残せたことに対して充実感を持ってケースコンペを終えることができました。

 

5.ケースコンペに参加しての感想

 私個人としては、想定より少ない3名でのチーム運営となりながら、限られた時間の中1次ラウンドを突破、2次ラウンドでプレゼンを実施できたことは非常に有意義な経験となりました。更に、ESADEのコアタームで学んだ内容を、実際にケースコンペという場を用い復習するいい機会となりました。欲を言えばファイナルラウンドまで進出をしたかったですが、Q&Aの際に回答に窮してしまう自身の英語のリスニング・スピーキング能力の低さや、瞬時に質問者の意図を汲み取り回答に反映できない瞬発力の低さ、ビジネスプランにおける詰めの甘さ、などたくさんの課題を見つけることができたことも収穫です。

 

 前述の通り、MBA生活に於いて、ケースコンペへの参加機会はきっと訪れると思います。ESADECollaborativeな環境で学ぶ学生とともにケースコンペに参加することは、他校での同じ経験とはまた違った経験ができると思いますので、このケースコンペ体験記が受験生の方のESADE受験の意欲向上につながっていただけますと幸いです。 (執筆者:ESADE Business School Class of 2022 T.I )