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オペレーションクラブの工場見学体験談(Class of 2015)

2013年12月5日に、オペレーションクラブのイベントで、Estrella Dammというビールの会社の工場を見学できました。

 

Estrella Dammはバルセロナがあるカタルーニャ地方で有名なビールです。町中のBarにEstrella Dammのビールやその樽があります。特に良く見かけるのは、アルコール度が5.4%の「Estrella Damm(エストレーイャ・ダム)」とアルコール度が7.2%と高めの「Voll Damm(ボル・ダム)」です。

 

私たちが訪れたEstrella Dammの工場は1994年に稼働開始という比較的新しい工場でした。まず、感銘を受けたことは、全工程がほぼ自動化されていることです。中央のコントロールセンターで数人が生産ラインをモニターしており、生産ライン周辺はほぼ人がいません。たまに箱などを機械に供給する人が数人いる程度でした。コンベアで瓶や缶にビールを詰める工程、6瓶1箱にパッケージして行く工程、箱詰めした後に大きなコンテナに詰める工程、そしてラッピングの工程まで、ほぼ自動化されています。ラッピングされた後、ロボットがラッピングされた大きなビールコンテナを自動で集積所まで運んで行きます。

 

ラインに大量のビール瓶が整然と流れていく光景は圧巻です。このラインの制御も随所に興味深い工夫が見てとれました。例えば、ラインから不良品(例えば、立っている瓶の中での倒れている瓶)をラインの外に落として行ったり、雑然としたライン上のビールを運びながら一列に並べたりといった工程です。参加者は高速で箱を組み立てたりという工程に対して熱心に見入ったり、出来上がってどれくらいで出荷されるのか等をガイドに質問していました。

 

さて、日本とスペインでの工場の違いについて。日本の工場ではスペースの有効活用が「カイゼン」の1つとして挙げられます。手作業のラインでしたらいかに作業効率を落とさずにラインを小さくするか考えますし、荷物の集積場所にいかにして多く荷物を置けるか日々考えます。しかしながらここスペインのビール工場は余裕のある空間の使い方をしており、スペースに関して「詰める」ことはしていないようでした。大きな工場の建物の中にラインがあるのですが建物の半分しかラインが入っておらず、もう半分は空きスペースとなっていました。もしかしたら需要に合わせてラインを拡張したり物を保管する場所として使うのかもしれません。(なお、オペレーションの授業で質問したところ、日本と違ってスペースの活用は「カイゼン」項目には入っていないとのことでした。)

 

さて、最後はお待ちかねの試飲会。参加者の殆どはビールの試飲を楽しみに来ており、一番の盛り上がりでした。

 

私は前職でメーカー勤務だったこともあり、キャリアが工場から始まりました。今回の工場見学は日頃見られない生産現場を見る貴重な経験だったとともに、初心に帰れたという意味でも大きな経験でした。