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MBAT (MBA Tournament)(Class of 2014)

欧州では、ビジネススクールが一同に会して運動会を行っています。これがMBA Tournament、略してMBATと呼ばれるイベントです。

フランス・パリにあるHECというビジネススクールが主催し、毎年5月頃に実施されます。サッカー、テニスはもちろん、クリケット、ゴーカート、チェスといった様々な競技が開催されます。ESADEは毎年参加しており、2013年は半数以上の学生が参加しました。世界各国から集まった学生が真剣に競技するため、自分がオリンピックやワールドカップの選手になったような感覚を覚えます。

 

私はサッカーに参加しました。ESADEチームは中南米の選手も多く、技術に優れると共に陽気なチームでした。2連勝で見事予選リーグを突破しました。私も日本人らしく俊敏性を活かし、一得点することができました。しかし、準々決勝でハーバードビジネススクール(USからの招待チーム)に敗れ、大会を去ることになりました。敗色濃厚でも決してあきらめることなく、最後まで走り抜いたチームに誇りを持っています。

 

スポーツとはいえ、一つの極限状態に追い込まれることで、文化の違いを感じることができました。例えば、スペイン人は負けているときでも、その状況を楽しむことを心がけていて、リラックスしているときこそ良いパフォーマンスが発揮できると考えているようでした。また、チームがうまくいかないときでも、試合前や移動中に唄を歌い続ける中南米の選手たちのポジティブな精神性はとても愛おしく思えると共に、見習いたいとも思いました。

 

その他の競技では、ESADEはサルサで優勝を果たしました。私たちの学年では、サルサの先生レベルの技術を持った学生が男女にいたため、とても美しい演技を披露することができました。ESADEの多様性に富んだ背景が垣間見れるエピソードだと思います。開催校のHECなどが好成績を収める中、男子バレーボールも準優勝を果たし、健闘しました。

 

大会期間中は毎晩パーティが開催されました。三夜ともにドレスコードが設定され、お洒落をしたり、笑いをとったりしました。学校・競技を問わず、全参加者が入り乱れてのダンスパーティで非常に盛り上がりました。ESADE以外の欧州ビジネススクールに通う日本人とも会話することができ、情報交換すると共に、交流を深めることができました。キャリアに関する話はもちろん、生活に関する話も興味深いものがありました。スペインの学生は当地での生活を嬉々として話す一方で、イギリスの学生は寒すぎて住みにくいといった話をしていました。

 

MBATはスポーツとして真剣に世界大会として楽しむことができる場です。それと同時に、約一年のMBA生活の総決算として同級生と築きあげた友情を確認することができます。さらに、他校との比較により、自分・ESADE・スペインといった存在の立ち位置を相対的に認識できる機会でもあります。単なる運動会以上のイベントです。